課題3、法規7
いきなり意味深なタイトルですが…
これは教習所の卒業検定や試験場の技能試験で不合格になる理由の割合です。
別のページで試験課題の説明をしましたが、それで失敗(接触、転倒、逆行など)する人は全体の3割で、残りの7割は法規走行ができていなくて不合格になっています。
私も免許取得に奮闘していた頃によく他の人の運転を見学していて、表題のタイトルはその時に感じたままを伝えています。
当時の私もそうですが、二輪免許は課題が多種多様なのでどうしても得手不得手が出てくるんですね。だからこそ、課題にばかり目がいって法規がおろそかになるんだと思います。
かく言う私も、
・合図が分かりにくい!
・左折大回り!
・加速が足りない!
と課題以外のことをよく言われました。
とは言っても、法規つまり道路交通法すべてをこの1ページでは網羅できないので、私や周りの友達がよく言われたことを中心に説明していきます。
法規で減点されやすいポイント
加速不足
これは課題でも法規でもなく基本的なことですが、試験場の説明員が口をすっぱくして言うぐらい皆が出来ていないことです。
『試験だから安全運転だ!』という気持ちでゆっくり走っている人も多いと思いますが、残念ながら、それだと運転に慣れていないと思われます。
教官や試験官は、免許を与えれば本性が出るのはお見通しなので、試験のときだけいい子ぶっても仕方ありません。
なので、試験では大人しくていい子よりも、
”運転には慣れていて直線ではしっかり加速できる!一方で慎重に走るべき場面もわきまえている”
という姿勢を見せたほうが合格につながります。
直線では”急”がつく一歩手前の鋭い加速が必要です。
試験コースは決して広くありませんので、素早く制限速度まで加速してゆっくり走るところは慎重に、といったようなメリハリを見せるのがポイントです。
進路変更のときの安全確認
教習所でも試験場でも何度言われたことか。。
例えば、右に進路変更するときは、
1.右合図を出す
2.右後方を確認する
3.ハンドルをきって進路変更
4.合図を消す
の手順ですが、手順2のときよく同時にハンドルをきってしまっていました。
手順3でハンドルをきるのは、あくまで確認し終わって前を見ている時です。振り向きながらハンドルをきると、脇見運転になります。
コツとしては、安全確認のために振り向く時間を出来るだけ短くすることです。短すぎもダメですが、0.5秒ぐらい振り向けば十分です。
停止中は左足だけ着地
これも盲点です。
両足をついたり、右足をついたり、意識していなければ普段のクセが出ます。
私も何も考えずに両足をついていて、何かで調べたときに偶然このことが書かれてあって気づきました。
特にMT車は右足ペダルが後輪ブレーキです。停止中は前後輪ともブレーキをかけていないといけないので、必然的に左足だけ着地になります。AT車は両方のブレーキを手で操作しますが、足着きは左だけにしておいたほうが無難です。
横断歩道の対処
<横断歩道手前では安全確認>
言われれば分かりますが、実際に他の人が走っているのを見ると、そのままスルー!している人が少なくなかったです。
横断歩道はただの飾りではありません!
二輪免許は場内だけで、人や自転車はほぼ絶対に通らないので蔑ろにされやすいんだと思います。
横断歩道に差し掛かったら、手前で左右確認を忘れないようにしましょう。
<歩行者・自転車がいないとき>
歩行者や自転車がいなければ横断歩道を通過するときに減速してはいけません(いない場合が大半です)。見てきた中で1人か2人いました。横断歩道の手前でブレーキランプが赤く光ったパターンです。
加速のところとカブりますが、減速する必要がないところで減速すると減点対象になります。
道路交通法には【安全】とあわせて【円滑】の言葉も入っていますから、加減速のメリハリも立派な法規走行です。
合図に迷うとき
いきなりですが、上の図のような道路を矢印の方向に真っ直ぐ進む場合、合図は必要でしょうか?
正解は・・・
左合図が必要です!
私も原付しか持っていなかったときは全く知りませんでした。
ただ、考えてみれば単純で、図の道路は右へ曲がる方向に点線が敷かれていますから、右へ曲がるのが道なりです。
よって、右へ曲がる場合は合図は不要です。
そのまま真っ直ぐ進む場合、点線を左向きに越えることになって左へ進路変更したのと同じになるため、3秒前に合図を出して左後方を確認する義務があります。
右左折と、上り坂の頂上付近は徐行
実技教習もある程度進んで運転に慣れた頃、交差点を曲がるとき調子に乗ってピュ~ッと走り去っていく人がいますよね。
また、坂道発進でも逆行することなく発進でき、その後『終わったぁ~!』と言わんばかりにピュ~ッ!
右左折、そして上り坂の頂上付近は徐行場所として決められています。
学科の勉強の時にも出てきましたよね。
学科の時だけでなく、運転練習にも落とし込んでください。
安全確認は1回1回を確実に
安全確認は何度もしつこくやっていると、発進手間取りで減点されます。
なので、1回1回を丁寧にすることを心がけてください。
私も免許を取ってから年数が経っていますが、クルマでもバイクでも安全確認が中途半端になっていてヒヤッとした経験が少なからずあります。
”見たつもり”は本当に危険です。
場内試験でも、他の教習生がバンバン走っている場合もあるので、場内だからといって気を緩めてはいけません。
形だけの安全確認だと、とりあえず免許は取れるかもしれませんが、取得後に痛い思いをします。
そうなってからでは遅いので、免許を取る前から確実に安全確認をするクセをつけておきましょう。
地味なヘルメットにはタテに1本テープを貼る
最後は法規走行とは関係ありませんが、ワンポイントアドバイスです。
普通免許なら助手席に試験官が乗り込むのですぐそばであなたの行動がチェックできますが、二輪免許の場合は遠巻きになるので見えづらい部分がどうしても出てきます。
その最たるが安全確認で、自分ではキッチリ確認したつもりでも首の振り方が小さかったら確認不足とみなされます。
題目のとおり、特に単色の地味なヘルメットだったら首が動いているのが分かりづらいので、タテに1本目立つ色のテープを貼ると首が動いたことが分かりやすくなります。
おわりに
道路交通法を全て理解するのは困難ですが、免許を取る、クルマやバイクを運転する上で知らなかったでは済まされません。
大部分は学科試験の勉強の時に教わりますが、そのとき疑問に思ったことは必ず解消するようにしましょう。
そして、実技教習で自分の運転に落とし込んでください。
かつての私もそうでしたが、学科と技能は別で考えていました。頭で習得したことを行動に落とし込む、学科と技能がセットになっていることが理解できれば、法規が身につきやすくなります。