2019年のドラフト会議も終わり、注目選手がどんどんプロ入り内定しました。
佐々木や奥川など、高校生BIG4と言われていた人材はもうどの球団からも取り合い合戦になっていました。
そんな中、悲しくも指名漏れした選手もいて、いちばん気になるのが和歌山東高校の落合秀市投手でしょう。
彼は、2年生の秋ごろから爆発的に注目を集め、日米スカウトまでやって来る騒ぎになったこともあったそう。
類い稀なポテンシャルでドラフト候補にも挙がっていましたが、10月17日のドラフト会議ではまさかの指名漏れとなりました。
そこで今回この記事では、落合秀市投手が選ばれなかった理由について、様々な視点で考えていきたいと思います。
落合秀市の実力は?
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まず、落合秀市がドラフト候補になった実力を見てみましょう。
のちに出てきますが、彼は1年生までは試合には出してもらえず、2年生から徐々に活躍することになります。
そして6月、明徳義塾との練習試合で好投し善戦だったことが彼の自信につながり、それがのちに才能が花開いたキッカケになったのでした。
その年の秋にはエースに抜擢され、新人戦の箕島高校戦で1失点で完投勝利(13奪三振)を挙げました。
(出典:https://www.hb-nippon.com/player/18133)
3年生に進級し、春の県大会初戦の箕島高校戦で9回途中まで投げ3失点(9奪三振)で逆転勝利に貢献し、147㎞/hをマークします。
そして、彼はこの頃からスカウトに目をつけられるようになったのです。
これだけの才能がありながら、実は、落合秀市(和歌山東高校)は甲子園の出場経験がありません。
しかし、夏の県大会では毎試合スカウトが訪れ、3回戦は日米13球団(日本プロ野球全12球団とメジャー1球団)35人以上のスカウトが視察に訪れました。
(出典:https://matome.naver.jp/odai/2157122178921261401/2157126753031361503)
投手の実力を測る指標の一つに奪三振率がありますが、彼の場合は6.23とまずまずの実力です。
そして、ドラフト候補に挙がった当初の評価は80点Aランク。
ドラフト候補高校生全選手15位で、決して悪くはありませんでした。
ドラフト会議で指名漏れした理由
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いよいよ、落合秀市がドラフト会議で指名漏れしてしまった理由に迫っていきましょう。
素行の問題
と、いきなり問題児のような表現のしかたですが、彼の素行が球児らしからぬものなのです。
落合秀市は4人兄弟の末っ子で、野球を始めたキッカケは小学生の頃に2人のお兄さんの影響でした。
中学入学後も野球はなんとか続けていたものの、
『なんでこんなキツイ練習せなアカンねん!?(しないとダメなんだ!?)』
の疑問に答えられるような価値を、野球に対して見いだせていませんでした。
彼曰く、中学生当時は”干されていた”とのことでした。
和歌山東高校進学後も野球部に入ったものの、やはり野球に対する想いが足りず、それが態度にも現れてしまい、1年生では22人の部員から20人をベンチ入りさせる抽選にも漏れるほどの扱いだったそうです。
休日の余暇も、観戦したり草野球をするなど野球に関係することはせず、BMX(自転車)やスケボーに熱中しているそうです。
さらには、プロ野球選手の名前もほとんど知らないといいます。
高校野球球児は学校を離れてもひたすら野球というイメージですが、彼の場合はそうではなく、とことん自分のしたいことをするといったように、悪く言えばマイペースです。
そんな彼の素行からして、プロ入りして厳しい世界を耐え抜けるか?という疑問が球団側にあったのかも知れません。
甲子園への出場経験なし
前にも出てきましたが、彼の場合は少し特殊で、ドラフト候補でありながら甲子園という全日本の晴れ舞台での試合経験がありません。
才能があるのはみな認めていたようですが、それをどううまく活用するかの見せ場がなかったのも大きな理由となったでしょう。
高校生ドラフト候補に投手が多すぎた
これはもっとも大きな理由かもしれません。
高校生のドラフト候補全56人のうち、投手が31人も居たのです。
割合にして55パーセント。かなり高競争率でした。
しかも、高校生BIG4と言われている奥川 恭伸、佐々木 朗希、及川 雅貴、西 純矢が全員投手として候補に挙がっていました。
つまりは、周囲の競争相手が悪かったとも言えます。
もしこれが、1年だけでも違っていたら、ドラフト会議での吉報が聞けたかもしれませんね。
落合秀市の今後は?
和歌山東の最速148キロ右腕として日米スカウトからも注目を浴びていた彼ですが、ドラフト会議の後での取材では吉報を伝えることはできませんでした。
『もういいです。野球を辞めて就職します。』
指名漏れが決まった後、和歌山東高校の米原監督を通じて彼のコメントが公表されましたが、半ばすねていたようにも聞こえます。
数年前、同じくドラフト会議で指名漏れになった九州共立大の望月涼太選手が特集で取り上げられていましたが、彼もとある有名企業に就職できたので、落合秀市もきっと無事に就職して全うな人生を送ることができるでしょう。
まとめ
高校2年生からメキメキ才能を開花させ、日米13球団からスカウト注目された落合秀市がドラフトで指名漏れした理由について、探ってきました。
- 野球に対する真剣さが他の球児よりも劣っている
- 甲子園という大舞台での活躍経験がない
- 周囲のライバルが強すぎた
このあたりが濃厚だと思います。
和歌山東高校の米原監督も、『育成からはいあがるだけの根性はない』と、彼を見抜いているので、一般企業へ就職するのが安全だったのかも知れません。
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