最近、町内会や自治会などの加入や、会長・班長・役員の任命をめぐったトラブル、悩みなどが絶えず、最悪の場合裁判にまで発展した事例がありました。
昔に比べて近所付き合いが希薄になってきているので、特に若い世代には町内会・自治会は敬遠されている傾向にあり、それらに対する否定的な意見が増えてきています。
- 新しい引っ越し先で町内会への加入に勧誘された時の断り方が知りたい。
- 町内会・自治会の役員をお願いされて困っている。
- できるだけ波風立たない断り方はないのか?
などにお悩みの人に向けて、そもそも町内会・自治会に加入するメリットや、それを断る際の上手な方法について、この記事で解説していきます。
町内会・自治会に加入するメリット
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最初に、町内会・自治会に入ることでどんな恩恵を受けられるのか、そのメリットについて解説していきます。
『手っ取り早く断り方だけ知りたい!』ということであれば、次の章から読み進めてください。
交流の場が持てる
餅つき大会や運動会、夏祭りなど、各地域が主催しているイベントがありますが、それらはその町内会に入っている住民のみ参加権利が与えられるところが多いようです。
特に新しくその地域に引っ越してきた人からすると、そこで顔と名前を覚えてもらう、そして話しやすい人を見つけるという点でメリットがあります。
また、社交的な人でこういうイベントが大好きだという人にとっても、メリットが感じられるのではないでしょうか。
災害時に助け合える
町内会・自治会によって地域共通の避難場所を定めているところが多く、そういう地域では防災マップなどを役員が定期的に配っています。
また、地域によっては年に1回~数回防災訓練を行って、各年ごとに災害発生時の役回りまで決めているところもあります。
災害は決して頻繁に起きるものではないですが、ひとたび起これば元の生活に立て直すまでに多大な労力とオカネがかかります。
そうした時に、町内会・自治会の中で決めたルールで迅速かつ確実に対応することで、被害を最小限に留めることが出来ます。
万一の時に、そういうサービスを利用できるのとできないのとで大きく変わります。
何より大きいのが、”心強さ”でしょう。
目に見えた援助がなくても、ただ話を聞いてもらうだけで心の負担は軽くなります。
一方、町内会・自治会に入っていないからといって、支援物資が受け取れないかというとそうではありません。
町内会・自治会勧誘の際の脅し文句に使われることがありますが、災害時の支援物資はあくまで国から支給されるものなので、町内会に加入しているかどうかは全く関係ありません。
(町内会で準備したものは除きます。)
ゴミ集積所利用の問題
先ほどの支援物資と同じように、「ゴミを出せなくなる」と脅しをかけてくる事例もありました。
2017年に埼玉県で、自治会を退会した男性住民がゴミ集積所が使えなくなったとのことで、市を相手取り裁判を起こした事例がありました。
結局、市と男性は和解となって、市は『町内会・自治会の脱退とゴミ集積所利用とは関係ない』と、各自治会へ周知徹底したということで和解になりました。
ゴミ収集は町内会・自治会に加入しているかどうかは関係なく、行政のサービスとなります。
サービスに関わる費用は住民税から賄われているので、住民税を払っている人なら誰でも受けられます。
そして、ゴミ集積所自体が各自治会の管理であったとしても、先のとおり住民税納付者なら利用権はあります。
しかし、自治会に入っている人からすると、どうしても白い目で見たくなるのがホンネでしょう。
メリットというよりもデメリットの裏返しになりますが、町内会・自治会に入っていれば、こういうトラブルにも遭わなくて済むというわけです。
メリットはあまりない場合が多い
この章の最後に、全体的にみたメリットはあまり感じられなくなったという点について、ネットの声を紹介しておきます。
正直、メリットはかなりなくなってきていると思います。おっしゃるとおり回覧板よりも詳しい情報が市町村のHPに載っているし、祭りなどの行事で土日祝日が潰れてしまうことに内心納得のいかない若い世帯は少なくないようです。
(出典:Yahoo不動産)
なぁ~んにも メリットはありません。
私も 戸建てを購入して 今年 自治会に入り
年間1万2千円も払ってますが
後悔、後悔の嵐ですよ。(出典:Yahoo不動産)
自治会に入るメリットなど有りません。
入らないと「デメリット」が多すぎですので仕方なしに入るのが多くの方の本音です。(出典:Yahoo不動産)
最初に挙げたように、イベントが好きで仕方ない人にとってはメリットがあるでしょうが、そうではない人からすると色んな面で”負担”になるわけです。
ただやはり、”入るメリット”よりも”入らないデメリット”が大きいので仕方なく入ったという人が多いのが事実です。
次の章では、
- できるだけ波風立たせない断り方
- 高確率で納得してもらえる断り方
- 断る際の気持ちの持ち方
などについて、時折実例を交えながら解説することにします。
断り方・拒否の意思を示す上手な方法・実例
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まず、町内会や自治会への加入には強制力はないので、必ず加入しなければならないわけではないことを覚えておきましょう。
その上で、断り方について適宜実例を交えて説明していきます。
ハッキリとストレートに断る
これが一番確実な断り方です。
『加入の意志はありません。』
『役員を受け持つつもりはありません。』
誰が聞いてもとらえ間違いようがありませんから、しつこく迫られることもなくなるでしょう。
ただ、この方法は
- 気が強い人
- 後々どうなっても構わないと、腹をくくれる人
- 大概のことなら一人(一家族)で出来ると自負している人
など、それなりに芯を通しておく必要があります。
良いと思うよ。
色々なことを変えていくこと、革新は好きだな。まあこの親の子がいじめにあわなきゃ良いが。
ちなみに、俺も今の地域に住んだ頃は自治会の人が勧誘に来たけど、はっきり断ったよ。
自治会費だってバカにならんしな。 https://t.co/8wuRZTTW9X— プロの話聞き屋🇧🇴 桜井🌺 (@sakurai7715) January 29, 2017
やはり、キッパリ断った人はどこか”強さ”を持ち合わせています。
それでも相手が食い下がってくる時は、『それは義務ですか?義務ならば、それが分かるものを見せてください。自分は町内会とか自治会とかがどういうものか知らないので、入るなら納得してから入らせてください。』
と伝えましょう。
体調(長期的なこと)を理由にする
キッパリ断るにはハードルが高いと感じている人は、もっともらしい理由で逃げるのが一番です。
その最たるが体調・病気療養です。
ただ、病気を理由にするのは、町内会の役員をお願いされたときのほうが使えます。
単に入るだけなら病気はあまり関係ないので、抜け穴が多くなります。。
その際、単に『病気療養のためです。』と言うのでもいいですが、『定期的に○○のために通院してるので。』と、具体的に言えば納得されやすいです。
オカネがない
こちらであれば、町内会・自治会に入らない理由として成り立ちます。
もちろん、それっぽい理由を考えておけば効果的です。
- 親・子供への仕送り
- 介護のため
その他、あなたに合った具体的理由を考えてみてください。
転勤族で、次いつ引っ越すか分からない
管理人としては、この理由が最も無難だと思います。
『転勤族なので、いつ引っ越すか分からないので、町内会・自治会に入るメリットがありません。』
これなら、結果的に長く住むことになっても、転勤なんてタイミングだからすぐに引っ越す場合とそうでない場合がありますから、納得はされやすいです。
ただ、やはりデメリットもあって、
- 日常会話から、つい転勤族でないことを漏らしてしまうことがある。(ウソをついている場合)
- 持家の場合は使えない。
の点があります。
その場で答えを出さない
ここからは交渉事の基本になりますが、まず、その場で即答はせずに『家族と話し合って答えを出す』というような旨を伝えて、じっくり考える時間をもらうことです。
そうすることで、いきなり断るというぶしつけな態度を見せずに済みますし、答えを出す際に心の準備をしたうえで腹をくくることができます。
代替案・妥協案を出す
難しい単語が並びましたが、要は『その代わり…』というものです。
例えば、
- 町内会・自治会に入る代わりに、役員は一切やらない
- 役員は1期だけやるが、それっきりで続投はしない
などです。
この方法は半分でも相手のお願いを聞いているので、『その代わり~』と切り込んで自分の言い分も通しやすくなります。
たくさんの味方に同席してもらう
交渉のときは、自分の味方陣営が多くいたほうが有利になり、答えに詰まったときに代弁してくれることもあるでしょう。
いきなり家に来られたときも、先ほどのようにすぐに答えは出さず、意思を伝えるときに味方に数人来てもらって伝えます。
ICレコーダーを用意しておく
最後になりましたが、自分と相手の発言を録音するためにレコーダーは必ず用意しておくことが基本になります。
そうすることで言った/言わないをなくすことにも繋がります。
後々トラブルが大きくなったとき、『あのとき○○だと言いましたよね?』と、確実な証拠を出すことが出来ます。
まとめ
何かと地味に頭を悩ませる町内会・自治会の問題。
加入することにほとんどメリットがなくなった今、それでも何とか入ってもらいたい運営側と加入したくない住民側との冷戦状態になっています。
純粋に地域交流の場が好きだという人は良いでしょうが、そうでない人にとっては入らないデメリットのほうが大きくなり、その最たるがゴミ集積所の問題です。
埼玉県で起こった実例では結局和解しましたが、裁判にかかるエネルギーは並大抵のものではありませんから、争うことのメリットもないでしょう。
となると、出来るだけ自分の言い分を聞いてもらうのがベストですが、その方法としては、
- ハッキリと断る
- もっともらしい理由(病気、経済的、転勤など)を伝えて断る
ことです。
そして、これは自分と相手の交渉ですから、
- その場で即答しない
- 妥協案で落とし所を提案する
- 出来るだけ多くの味方に来てもらう
- 声のやり取りは必ず録音する
が基本となります。
この点を抑え、自分の性格に合った主張のしかたで伝えますが、あいまいな受け答えをしないことには気を付けたいですね。
「あいまいな受け答えをしない」ことは、こちらの例でも言えることです。
ぜひ参考にしてみてください!
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