J1湘南ベルマーレの曺貴裁(チョウ・キジェ)監督(50)にパワハラ疑惑が浮上し、8月13日の練習から現場指揮・指導を控えると報道がありました。
湘南ベルマーレと言えば、2014年にJ1昇格を決めた際、”史上最速での昇格”と話題になっていました。
間違いなく過去最強と言われているチームですが、その圧倒的強さの裏側を公開したDVD『湘南ベルマーレイヤーDVD NONSTOP FOOTBALLの真実 第5章』が2019年2月に発売されました。
しかし、その衝撃的すぎる内容には賛否両論あり、今回のパワハラ疑惑が浮上した際のやり玉にあげられてしまいました。
また、パワハラ被害を受けたと思われる選手やスタッフがいて、
- ライザップからの出向社員がうつ病をきたし、2019年6月から練習場に来られていない
- 『無能!』などの言葉を投げかけられ精神的に追い詰められた選手3名が、2018年シーズンで退団している
このような事実があって、チョウ監督の退任の可能性がやや濃厚です。
チョウ監督の退任後、後任として可能性があるのは、
- 高橋健二コーチ
- フェリックス・マガト
が候補であると考えられます。
圧倒的な実績をあげてきたチームの監督だけに、ファンからの期待も大きく、今回の報道でショックを受けたファンも多かったはず。
そこで今回この記事では、チョウ監督のパワハラ事実の信ぴょう性と、チョウ監督退任後の後任として挙げられた2候補について理由を考察してみました。
曺貴裁監督のパワハラの可能性
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激しい口論を映し出したDVDか?
そもそも、チョウ監督の言動にパワハラの可能性はあったのか?
その根拠を突き詰めていきましょう。
冒頭でも述べていましたが、湘南ベルマーレの舞台裏を映したDVDが、今回の報道のやり玉にあげられていることは事実です。
最も話題になっているのは、ロッカールームでのシーン。
選手同士が激しい口論を交わし、チョウ監督も激怒する姿を赤裸々に映し出したシーンが反響を呼んでいます。
鹿島戦、湘南ベルマーレについて調べまくってたらどえらいの見つけた。
プロが怒鳴り合う、全国高校サッカー選手権大会のハイライトかと思うくらいクッソ熱いロッカールーム。
仲間を信じて迷わず攻める固い連帯感。
日本一を獲るという強い意志。凄え。小手先じゃ絶対勝てない。#湘南ベルマーレ pic.twitter.com/bia9xcsJwh
— ©︎RioSam / 複業ライター (@R1OSAM_Official) August 4, 2019
このDVDが異例の大ヒットを記録したことを受け、青学大陸上部の原晋監督はチョウ監督を大絶賛していました。
『同じ目標に向かう集団だから、ホンネのぶつかり合いも必要』
として、原監督自身も選手たちの間にぬるい空気が流れてきたら、わざと怒らせるような言葉を投げかけてホンネを引き出すような指導法を行っているそうです。
その結果、意見した側も受けた側もスッキリしてモチベーションが上がることもありますが、ただ、やはり最近では○○ハラスメントという言葉が横行しているせいか、”怒り”に対してかなりセンシティブになっている感はあります。
ライザップ出向社員のうつ病発症との関連性
2018年、RIZAPグループが10億円の資本を投じ湘南ベルマーレの経営権を取得し、2020年までのタイトル獲得などへ「コミット」したことが報じられました。
それ以後、チームはライザップの傘下となりました。
2019年1月に出向したライザップ側のスタッフは精神的に追い込まれ、6月から次第に練習場に通えずうつ病などを発症していました。
しかし、今回の報道があってライザップ側はすぐさま声明文を出し、当時出向していた社員は、
『チョウ監督からは愛情あるコミュニケーションを受け、私自身も成長できたと感じており、パワーハラスメントの事実はありません。チョウ監督には大変感謝しており、今後は、この経験を活かしていきたいと考えています』
と話しているといいます。
元出向社員のコメント中で強調した部分が気になりましたが、特に、『愛情あるコミュニケーション』というところですね。
”愛情”とは、思いやり。
決して優しさだけでなく、時に厳しく戒めることも愛情のうちです。
きっとこの社員も、愛情であることは分っていたはず。
しかし、チョウ監督から受けた厳しさは自分自身にとっては”不慣れ”で、その慣れない指導を繰り返し受けてきた結果、心身の不調をきたした可能性が高いでしょう。
発表された声明文から判断する限りは、うつ病になったことも事実だけど、パワハラがなかった事も事実だから、うつ病の原因は本人にとって慣れない指導だったからと捉えるのが最も自然だと考えます。
そもそも、なぜこういった報道に発展したのか?
それは第三者からの密告があったからに他ならないでしょう。
チョウ監督のパワハラ疑惑の件は、親会社のライザップから出向した社員の鬱病発症の事例を、監督解任の理由として使いたいから、ライザップ側が意図的にリークしたようにも思える。本当にコンプライアンス違反しているかは調査次第だけど、長年監督をやっていて気遣いができないはずがないのでは…。
— いるーか (@iruka12go) August 11, 2019
こういう噂もあり、もちろん事実でない可能性はありますが、チョウ監督を良く思っていない第三者が解任に追い込もうとメディアに密告した可能性は高いでしょう。
そして、大ヒットとなったチーム裏側を赤裸々に綴ったDVDのワンシーンとも重なり、今回の報道につながったと考えます。
3人の選手も精神不調で退団
ところが、昨シーズンにも精神的不調をきたした3人がチームを退団している事実もあります。
このころ、『無能』だとか直接人格を否定するような言葉を投げかけていたと言われています。
そのため、退団した3人の選手たちは、試合前に嘔吐などの不調を訴えていたといいます。
昨シーズンにチームを退団した選手は18名で、
- 岡崎亮平
- アンドレ・バイア
- 小林祐介
- 石川俊輝
- イジョンヒョプ
- 秋野央樹
- 高橋諒
- 藤田征也
- アレンステバノヴィッチ
- 端戸仁
- 高山薫
- 表原玄太
- 鈴木国友
- 石原広教
- 島村毅
- 後藤雅明
- ミキッチ
- 小川慶治朗
うち、3人がその被害者ということになります。
正確には誰が?という情報はありませんが、確実にこの18人の中の3人だということになりますね。
しかし、人格を否定する言葉を投げかけたことが事実となると、愛情のある指導とはかけ離れた言動です。
指導が厳しすぎて精神的に参った、という場合は指導者側の気持ちと相手の受け取り方の差異もあって一概にパワハラといえない場合が多いですが、人格を否定したとなると確実にパワハラです。
ベルマーレ湘南・曺貴裁監督の後任
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パワハラの事実関係は現在調査中であり、チョウ監督はあくまで指導を”控えている”段階ですが、万に一つ、最悪の事態(退任)も無きにしも非ずです。
その場合、後任が誰になるのか?が気になるポイントですが、現在臨時の指揮官になっている高橋健二コーチがそのまま監督に昇任される可能性もあるでしょう。
あとは、大ヒットDVDで明らかになったような鬼軍曹ぶりを発揮できる人物に、フェリックス・マガトが早くも噂されています。
チョウ監督の後任にマガト来ないかな〜。
— ちょーさん (@ichosuke) August 12, 2019
マガトのモットーは、”高いクオリティーは苦しみから得られる”。
理解はできますが、チョウ監督とは少しタイプの違う鬼軍曹ぶりです。
彼の指導を受けていた内田篤人は、『本当にキツい!しかし、彼のおかげで何も怖くなくなった』と話しており、同じく長谷部誠のほうは、『あの人のいるチームには行きたくない』とホンネを漏らしていました。
圧倒的な実績を誇る湘南ベルマーレにとって、今ここでチョウ監督を失うことになればチームの実力が右肩下がりになってしまうのでは?という心配の声も多数聞こえてきます。
チョウ監督が退任することになった後、チームのパフォーマンスを最大限に引き出せる数少ない優秀な監督が来てくれるのか、今後の動きに注目が集まりそうです。
まとめ
以上、チョウ監督のパワハラの事実の信ぴょう性と、万一退団した場合の後任について予測立ててみました。
<パワハラの信ぴょう性>
■ライザップ出向社員に対して
うつ病をきたしたのは事実だが、すぐにライザップ側が声明文を出して否定している
⇒パワハラの可能性は低い
■昨シーズンに退団した選手3名に対して
直接人格を否定するような言動があったという噂がある
⇒パワハラの可能性あり
いずれも、チームの舞台裏を収録した大ヒットDVDのロッカールームのシーンが、パワハラか否か判断の材料に挙げられています。
<チョウ監督退団後の後任>
- 高橋健二コーチ:コーチからそのまま監督昇任
- フェリックス・マガト:チョウ監督とは異色の鬼軍曹ぶり
J1による調査結果が非常に気になります。
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