ここのページにたどり着いたみなさんは、ほぼ間違いなくバイク免許を飛び込み試験で取得したい、あるいは取得を考えている方々だと思います。
しかし、それを周囲に打ち明けたり、ネット上から情報収集するとだいたい決まって、
- 採点官は警察だから、簡単に通してくれない。
- 最低でも4~5回は受けることになる。
- 試験場で受ける人は、失効・取り消しなど過去に免許を持っていた人ばかりだ。
など、何だか受験を断念させようとしているのでは?と思うようなウワサをすりこまれてしまっていないでしょうか?
確かに、二輪免許(に限らずですが…)を飛び込み試験で受験する場合、教習所に通って取得するよりも難易度が飛躍的に上がることはこれまでのページで説明済です。
しかし、よくよく調べていくと結局採点官が見ているポイントは教習所と同じく、
- バイクを正しく操れているか?
- 道路交通法を理解しているか?
という点でした。
それが出来ている人は受験回数に関わらず合格しているし、できていない人はいつまで経っても不合格。
恥ずかしながら管理人も当初はこの事実を知らず、闇雲に受験しまくっていたことがあってそれなりに受験回数がかさんでいるので、最初の数十秒の走り方を見ただけで合格しそうかどうかがある程度分ってしまうようになったぐらいです。
試験場受験を何度か繰り返していると他の受験者が声をかけてくる時もあり、その人たちの話を聞いていると、こぞって皆必要以上に緊張・心配しすぎていると感じました。
さらに深く話を聞いていくと、やはり最初に書いたようなウワサ話に惑わされていると感じたことも少なくありません。
ということで、このページでは技能試験を受験するに際して、特にマインド面において気をつけることをお話ししていこうと思います。
おそらく皆さんは、技能試験の各課題の技術的なポイントを知りたいのかも知れませんが、マインドは建物でいえば基礎にあたる部分です。
その基礎がグラグラだとその上に技術という建物を積み上げてもすぐに崩れてしまうので、このページを読んでしっかりマインドを鍛えてから練習に臨んで頂くことを強くオススメします。
※技術的なポイントは、各項目ごとにページを分けて解説しているので、そちらを参照してください。
何に注意すべき?マインドの持ち方
ウワサ話をうのみにしない
このページの冒頭や情報収集のページでも触れましたが、管理人の経験からしても試験場で直接免許取得する場合、特にこの技能試験に関しては事実かどうか分からないようなウワサ話もはびこっています。
管理人も何かと信じてしまいやすい性格なので、そういう話を『本当なんだろうな…』とうのみにしてしまう人の気持ちは痛いほど分かります。
また、人間は自分自身について、未来のことや実績のないことに対して強く不安を感じる動物です。
なので余計に、事実かどうかも分からないようなウワサ話を本当だと信じ、緊張や心配のしすぎで普段の実力が発揮できなかったり、最悪の場合受験を断念してしまうこともあるのです。
ウワサ話、都市伝説・・・
言い方は色々ありますが、だいたいそういうのは伝言ゲームの要領で伝わっていきますから、どこかで話が盛られたり事実がねじ曲げられたりします。
そして、最終的にあなたの耳に入れた人は、実際に受験すらしたことのない人が大半で、そういう人も周囲に惑わされているだけだと思います。
なので、飛び込み技能試験を受けた人から直接話を聞くのが最も正確な情報になりますから、そういう方の話を信用すべきです。
緊張するのは皆同じ
緊張を和らげる言葉に、
『彼も人なり、我も人なり』
というのをご存知でしょうか?
意味としては、
他人に出来ることは、自分に出来ないはずがない
ということなのですが、少し角度を変えて、
自分が思っていることは他人も同じように思っている
ということをここではお伝えしようと思います。
となると、表題そのままなのですが、緊張しているのは自分だけではないことになりますね。
管理人は小型限定二輪免許を安く取るべく初めて飛び込み技能試験にチャレンジしましたが、初回は緊張でメチャクチャでした。
発進するときの空ぶかしや合図忘れ、しまいにはコース間違いに気づかずそのまま走り続け、発進してから1分足らずで減点超過で試験中止になってしまいました。
そのとき管理人は2番手でしたが、1番の人がほぼ完璧に見える運転をしていて最後までコースを完走したのを見て、
『やっぱり、ここへ受けにくる人はみんな上手いな…』
と、一気にプレッシャーが襲ってきたのを覚えています。
しかし、あきらめずに2回目を受験した時、管理人より先に走った人が一本橋で落輪したのを見て、自分自身落ち着きを取り戻したことを覚えています。
『あっ!やっぱり、上手い人ばかりじゃないんだ』
おそらく、その人も緊張していたのでしょう。安全確認をし忘れていたところもありました。
結局管理人は小型二輪は諦めて教習所で取得し、大型二輪にチャレンジして制覇しましたが、大型二輪のときも大半は普通二輪持ちの人たちが受けに来ているにも関わらず、
- 走り出して速攻で試験中止になったり
- スラロームでの接触
- 一本橋での落輪
がちらほら見受けられました。
実際に管理人が受けた試験場(大阪・門真)での失敗例を紹介しましょう。
スラロームは何とかクリアするも、その次の一本橋で落輪し残念な結果となってしまいました。
おそらくこの人もしっかり練習はしているのだと思いますが、やはり緊張していたのでしょう。
そりゃそうですよね。
受けに来る人たちはみな免許を持っていない人ばかりですから、受けたその時に合格するかどうかなんて神様でも分かりません。
ある程度不安になるのは当然のことですね。
自己採点しない
これは自分で自分の首を締める行為ですが、走りながら自分で悪いところを採点するパターンです。
技能試験の採点基準は色んなところで公開されていますが、それを知ると受験の途中で今の持ち点がいくらなのか気になってしまいます。
ただ、よく考えてみると、自己採点するということはそれだけ気持ちに余裕があるということです。
これは人によりますが、初めて受験するときなんかはベストを尽くすことに精一杯で、今何点残っているかなんて考えている余裕はありません。
皮肉なことに、こういう状態が一番いいんです。
自己採点できるほど気持ちに余裕が持てるのは良いことですが、それに囚われるとまた余裕がなくなるので本末転倒です。
なので、その余裕はベストを尽くすことに費やしましょう。
それでも緊張するけど…どうしたら?
これまで、緊張や不安を和らげるための気持ちの持ち方を中心に話してきましたが、気持ちだけで緊張や不安を和らげるのは難しいという声もあると思います。
何を隠そう、管理人がそうでした(笑)
なのでここでは、管理人が実際にやってみて効果のあった方法を2つ紹介します。
声を出す
1つ目は声を出すこと。
緊張するといつも以上にしゃべりまくる人がいますよね。
その行動はとても理にかなっていて、人間の身体の中にたまっているものを出し、スッキリさせる意味があります。
じゃあ、具体的に試験場でどんなときに声を出すのか?ですが、
- 試験官にあいさつ
- 走行中の声出し安全確認
- 他の受験者と談笑
という方法です。
とかく、声を出すことは周囲に自分の存在をアピールすることにもなるので、それゆえ気恥ずかしさがありますが、1.の挨拶ならハードルが低いと思います。
二輪免許試験の場合、試験官は離れた場所にいることが多く、少し声を張らないと試験官に聞こえません。
大きな声を出すことになるので、それをキッカケに『よっしゃー!』と、よりいっそう気合いを高めることにもつながります。
一方で2.のほうは、あくまで小声です。
自分が走っている姿はギャラリーも見ているので、そこで『左右ヨシ!』と聞こえる声で唱えていたらさすがに恥ずかしいです。
なので、ヘルメットの中の自分にだけ聞こえる音量で唱えてください。
小声で周りに聞こえない程度であれば、独り言をつぶやいたり、好きな歌を歌ったり等、何でもアリです。
そして、最後の3.は人見知りしない人なら積極的に声他の受験者にをかけてみてもいいでしょう。
管理人はもっぱら声をかけられる側でしたが、そのことがキッカケでその人と運命共同体になれた気がして、かなり心強くなります。
声を出すという何でもないことですが、それでいくらか緊張がほぐれるなら、やってみない理由なんかありませんね。
目線は遠くに
これは効果てきめんで、なおかつ即効性があります!
一度、運転に余裕が無さそうな人を見てみると分かりますが、目線が近くなっている人が大半です。
目線が近いと全体を把握することができず、次の動作のスタンバイができません。
そのため、余裕のなさがどんどん蓄積されてしまい、その時の動作だけでいっぱいいっぱいになってしまいます。
幸いにも、試験場・教習所のコースは大半が見通しの利く造りになっているのでコース全体が見渡しやすくなっています。
なので、運転中は姿勢を正し、顔をしっかり上げてコース全体を見渡すようにすると、
- コース間違いを防げる
- 次に自分が何をすべきなのかが予め把握でき、余裕を持って準備ができる
などの効果をもたらします。
そして、一度だまされたと思って実践してみて欲しいのですが、そういった効果があることからか気持ち的にもかなり落ち着いてきます。
これは管理人も不思議だなと思ったのですが、顔を上げるだけでも気持ちが大きくなったような気がしたのを覚えています。
余談ですが、運転中の姿勢も採点の対象になるので、姿勢に気を付けるにこしたことはありません。
もう、必須事項といってもいいくらいでしょう。
最低限の礼儀はわきまえる
ここまで、緊張してしまう原因を可能な限りつぶすことを目指した内容をお伝えしてきましたが、この記事の表題は『注意するポイント』なので、緊張以外の注意点をこの章でお伝えしようと思います。
それが表題の”礼儀”になるわけですが、ぶっちゃけ、礼儀と採点は関係ありません。
しかし、試験官といえど人間です。
人間ですから、どうしても他人に対する印象は持ってしまいます。
もちろん、採点項目に”礼儀正しいかどうか”というものはありませんし、気に入った人を有利にさせるいわば”忖度”なんかは言語道断です。
ただ、逆の立場でこんな風に思ったことはないでしょうか?
- 好きな人のすることは、何でも良く映る
- 嫌いな人のすることは、何でも悪く映る
これは別に意識していなくてもそういう風になるものであり、試験を採点する人にもそういう現象は起こります。
さらに、採点基準とはあいまいなものが多いのも事実です。
例えば、先ほど出てきた『運転姿勢』という項目。
管理人は一度、『乗車中につま先が開いている』という指摘を受けたことがありますが、つま先の開き方そのものに明確な基準があるわけではありません。
開いているのかどうかわからないようなグレーゾーンだった場合、減点するかどうかは見る人によって変わってしまうことも、また事実なんです。
- 初めに思った印象によって、行動の善し悪しが変わる
- 採点基準もあいまいなのが少なくない
となれば、だいたいお伝えしたいことは想像できたかと思いますが、最初にいい印象を植え付けておけば、ある程度行動を美化してくれることもあります。
当然、明らかにアウト!なものをもみ消すようなことはされませんが、白黒判断がつきにくいような場合に○としてくれる可能性はあるでしょう。
なので、
- バイクに乗車する前にあいさつする。
- 試験結果に関わらず、『ありがとうございました!』を忘れず。
これらのポイントは忘れず実践しましょう。
ならし運転の活用法
他府県はどうか分かりませんが、管理人が受験した大阪府の試験場では、試験の前に100メートルほどならし走行があります。
先ほど紹介した動画でも、発進して交差点を右折し、その先の一時停止を過ぎて発着点に帰ってきていましたが、それがならし走行です。
大阪府では、乗車してから発進するまでは採点されますが、走行中は採点の対象外なので、例え他の車両と接触事故になっても減点や試験中止にはなりません。
ということは、乗車から発進まできちんとしておけば、あとは何をやってもいいんです!
これを理解していない人が多く、とてももったいないと感じました。
先ほどの動画に映っていた人も、ならし走行中でも交通法規を守り、いたって真面目に運転しているだけでしたが、それだと非常にもったいないです。。
何をやってもいいんですから、苦手な動作の練習をやってしまってください。
- スラロームが苦手ならひたすらジグザグに動く
- 急制動が苦手なら、急加速してブレーキの利き具合を確かめる
- 一本橋が苦手なら、センターラインの白線を一本橋に見立てて本番さながらに走ってみる
などなど、せっかくの機会を少しでも苦手克服に利用してしまいましょう!
そして、試験はならし走行のバイクでそのままやるわけです。
『ん?何だかいつもと違うなぁ』という違和感が残ったままだと、それが緊張の原因にもなってしまいかねませんので、とことん慣れておきましょう。
さすがに好きなことをやりすぎて時間を使いすぎたり、わざと車両を壊すような行為はNGですが、ならし走行を練習として活用しないのはもったいないです。
まとめ
この記事では、緊張を和らげる方法について、気持ちの持ち方やノウハウを説明してきました。
それらをまとめると、
ということになります。
そして、緊張をほぐす以外にも大切なポイントがあり、
- 礼儀をわきまえる
- ならし運転を活用する
というところも忘れず実践しましょう。